外国人の就労資格の証明
2021.01.06[VISA]
【外国人の転職をサポートする書類】
こんにちは、西新宿の行政書士、田中良秋です。
日本に在留している外国人は、
その在留目的によって取得するVISAが違います。
さらに、就労VISAにおいては、
どのような事業主のもとで、
どのような職業に就くのかによって、
その種類も変わります。
※VISAの種類については、
当事務所ホームページでもご紹介しています。
⇒こちら
このようなルールをもとに、
日本でも外国人雇用がおこなわれていますが、
在留外国人を雇うことが予定されている
事業主や企業の皆さまより、
この外国人さんはどんな作業経験があるのか?
今のVISAで本当に当社の仕事になじめそうか?
といったご相談をいただきます。
そんな、キャリアのある外国人を雇用するとき、
雇用主にとっても外国人にとっても
就労資格証明書
が非常に有効です。
【就労資格証明書とは】
出入国在留管理庁では、
就労資格証明書を次のように定義しています。
『我が国に在留する外国人からの申請に基づき、
その者が行うことができる収入を伴う事業を運営する活動
又は報酬を受ける活動
(以下「就労活動」といいます。)
を法務大臣が証明する文書』
(入管法第19条の2)
わかりやすく表現しますと、
就業先を変える外国人が、
新しい勤務先でも、
今持っているVISAで仕事ができることを
証明するための書類
と言えます。
外国人の皆さまが転職するとき、
新しい勤務先は、外国人の雇用に向けて、
在留目的に沿ったVISAを持っているか
身元が確約できるか
を、在留カードによって確認します。
この在留カードには、
外国人の氏名や住所、在留資格や在留期限
などが記載されていますが、
経験した作業詳細までは記載されていません。
これを補う意味でも、
就労資格証明書には就労可能業務の定義も記載
されています。
<就労資格証明書>
【就労資格証明書のメリット】
就労資格証明書を入手するメリットは、
以下の3つと考えます。
①事業者が安心して雇用できる
雇用主は、
就労資格証明書によって、
その外国人が対応できる作業を把握でき、
外国人が取得しているVISAに
自社の作業がマッチしているかも確認できるため、
不安なく、外国人に仕事をお任せできます。
②VISA申請に有利
就労資格証明書を発行できる状態にあれば、
出入国在留管理局は、
転職先での業務が
現在のVISAの就業範囲内であると確認できます。
そのため、
外国人のVISA更新申請もスムーズに進められ、
申請が不許可となることを防ぐことができます。
また、仮に外国人が資格外活動をおこなう場合でも、
その業務が資格外活動の範囲内であることを確認
できます。
③不法就労者の採用防止
VISAがない
または
在留期限が切れている外国人を雇ってしまった
という場合、
その事業者は違法雇用の罪に問われる場合があります。
事業者が在留カードのほかに、
就労資格証明書を確認することによって、
不法就労者の雇用を未然に防ぐことができます。
※外国人が勤務先へ就労資格証明書を提出することは、
強制ではなく、任意です。
【就労資格証明書の入手方法】
就労資格証明書を入手するためには、
出入国在留管理局に
就労資格証明書交付申請をおこない、
許可を得ることが必要です。
※外国人在留総合インフォメーションセンター
に申請してもOKです。
申請にあたって、外国人は、
次のようなVISAを備えていることが必要です。
審査期間は、
通常の就労証明としての申請であれば、
当日に終わり、証明書が発行されることが多いですが、
転職した場合は、1か月から3か月ほどかかる場合もあります。
これは、
その勤務先の売上や経営状況も含めて審査されるためです。
※外国人が退職や転職をする場合は、
就労資格証明書の交付申請とは別に、
退社や勤務先変更から14日以内におこなう
契約期間に関する届出が義務付けられています。
仮に、
申請に対しての結果が不許可であれば、
転職先の業務がVISAの要件を満たしていない
ことを表しています。
不許可となった外国人の就労を継続した場合、
勤務先も不法就労助長罪に問われます。
この場合は、
勤務先での外国人の担当業務を変更する
または
VISAの変更申請をおこなう
といった対応が必要となります。
※審査期間の関係から、
申請者の在留期間が3か月をきった場合は、
就労資格証明書を取得せず、
在留期間更新申請を進める
という選択肢もあり得ます。
就労資格証明書をはじめ、
在留外国人の皆さまに関する各申請は、
審査期間や提出書類に違いがありますので、
余裕をもって計画的におこなうことをおすすめします。
WINDS行政書士事務所では、
VISAに関連する各種申請のサポート、
またそれらに伴う要件のご相談を随時お受けしております。
お気軽にご相談ください。