【違う?】補助金と助成金
2021.02.10[事業支援]
【資金繰りの手段】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
事業主の皆さまが、ビジネスの発展や成長のため、
計画やスキルとともに必要不可欠なものとして、
資金が存在します。
資金を得る手段は、売上以外にも、
金融機関から借りたり、国や自治体から支給を受ける
ということがあります。
この後者にあたるものとして、
補助金
助成金
があります。
これら2つの制度は、似通っている部分も多いため、
同じものと解釈されている方も
多いのではないでしょうか。
実は、それぞれはっきりとした特色があります。
【補助金・助成金の意義】
現在運用されている補助金と助成金のほとんどは、
国や自治体から交付されています。
国の政策は様々なものがあり、
非常に多岐に渡りますが、
それぞれの政策を管轄する省庁が存在します。
各省庁は、政策目標を達成するため
関連する事業や取り組みの成長・拡大のため
事業者をサポートするの制度のひとつとして、
補助金・助成金が存在しています。
言い換えると、
補助金と厚生労働省が管轄する助成金は
それぞれ具体的な運用目的があり、
申請者は
その運用目的に沿って申請する
ことが大切といえます。
※厚生労働省が管轄しない、
補助金に類似した助成金も存在します。
⇒当事務所までご相談いただけます。
【補助金・助成金の違い】
補助金と助成金は
管轄省庁や制度目的が異なることから、
実際の運用フローにも違いがあります。
補助金と助成金の違いを
次のように比較してみました。
補助金はその文字どおり、
「補ってもらう」
ためのお金となります。
社会貢献度やある程度の見通しを
アピールする必要があるため、
ほとんどの種類の補助金の申請では
事業計画書を提出します。
また、採択された場合は、
事業報告をおこないます。
これに対して助成金は、
改善や努力に見合って交付されることから、
「評価され、ごほうびをもらう」
という感覚が近いと考えます。
申請では、
その取り組みをアピールできるよう、
実績や体制をあらわした書類を提出します。
※厚生労働省が管轄しない、
補助金に類似した助成金も存在します。
⇒当事務所までご相談いただけます。
【補助・助成金額の決め方】
支給される補助金や助成金の額は、
次のルールのどちらかで計算されます。
①定率ルール:経費に対する一定割合で計算
②定額ルール:最初から一定金額が決定
多くの制度では①が採用されており、
申請経費の1/2や2/3の割合で
補助や助成されています。
合わせて、
補助・助成のMAX値である上限額
も定められています。
【補助金・助成金の活用ポイント】
補助金と助成金のメリットとデメリットについて、
それぞれ比較してみました。
これをふまえたうえで、
私が考える補助金・助成金の活用ポイントは、
以下の4点です。
①制度目的に沿った計画
国の予算枠から抽出される補助金・助成金は、
決して自由に使えるものではなく、
それぞれの目的に合わせて使う必要があります。
申請要件を満たすことはもちろん、
必要経費も目的に沿って取り扱われるべきです。
そのためには、
取り組みの計画や体制をしっかり固めることが大切です。
②支給されるまでの期間
申請した結果、採択や交付が決定したとしても、
すぐに受給できるわけではなく、
申請した通りの事業や取り組みを先に実施して、
その報告をする必要があります。
それらが終了後、最終審査または検査などを経て、
ようやく受給することができます。
その間の資金は自分で立て替えていく必要があります。
中には、受給時期が
取り組み実施からMAX1年以上経過後の制度もあるので
キャッシュフローも考慮しながら活用することが必要です。
※補助金制度の中では、
審査が通った際に一定割合で補助金額を受け取れる
「概算払い」ルールも存在します。
③予算や時期
補助金・助成金の予算や、申請受付期間は
一定に限られています。
そのため、申請者が取り組みたいことがあっても、
タイミングによっては、
その取り組みにマッチする補助金・助成金がなかったり、
申請期限に間に合わない、ということがあります。
各制度は
国や自治体の予算や法案に合わせて決定します。
国の場合は、
予算案や税制法案が協議される
通常国会(毎年1回、1月中)から整備を経て、
年度始め前後の3月から4月が
制度の情報が1番充実していると考えます。
※補正予算が組まれる場合は、
11月~12月に補助金の募集が追加されることが多いです。
※予算枠が埋まるほど人気の補助金は、
期限前に申請受付終了となる場合があります。
④事業や取り組みの実施
事業や取り組みは、申請書類に基づいて審査が行われ、
採択や交付が認められる取り組み内容は申請時のもの
となります。
そのため、
申請内容と実際の事業や取り組みの内容が大きく異なる場合、
補助金・助成金は支給されない場合があります。
新型コロナウイルスの影響も重なり、
昨年以降、当事務所にも資金繰り制度について
ご相談が相次いでいます。
また同時に、新年度の各制度も、
概要が少しずつ明らかになっており、
今年も3月ごろには、
詳細が固まってくるものと思われます。
WINDS行政書士事務所は
申請をご検討の事業主の皆さまに対して、
事業や取り組みに見合った制度をご案内いたします。
お気軽にご相談ください。