事業再構築補助金
2021.02.22[事業支援]
【中小企業を変える!大型補助金】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
2020年12月、政府にて閣議決定した第3次補正予算案。
新型コロナウイルス対策を含め、
総額21兆8353億円もの追加歳出が盛り込まれており、
この予算によって、
さまざまな補助金や給付金などの
救済事業がおこなわれようとしています。
それらの中でも、
ウィズコロナやアフターコロナを見据えて
経済社会の変化に対応するために利用できる、
事業再構築補助金
の概要が公開されました。
業態スイッチを目指す事業者さまは必見
の制度といえます。
【事業再構築補助金とは】
事業再構築補助金とは、
新型コロナウイルス感染症の影響によって
需要や売上の回復が難しいなか、
新規事業分野への進出等の
新分野展開、業態転換、事業再編など
に取り組む中小事業者をサポートする
補助金
です。
※事業再構築指針や
制度詳細、よくある質問についても、
コラムでご紹介しています。
⇒【事業再構築補助金】よくある質問
⇒【事業再構築補助金】事業再構築指針
⇒【1次募集から進化!】事業再構築補助金2次募集
⇒【事業再構築補助金】初回公募の採択発表
⇒【充実の救済ルール!!】事業再構築補助金3次募集
その予算総額は1兆1485億円。
用意されている額から、
補助金制度としての規模の大きさがうかがえます。
新規事業への進出をご検討の事業者さまにとっては、
活用メリットが非常に高い補助金といえます。
<申請対象者>
以下の要件を満たす
中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合
などが申請対象とされています。
中小企業については、
以下の定義を満たす事業者が該当します。
中堅企業の定義については、現在調整中ですが、
中小企業ではない、資本金10億円未満の企業と定義される予定です。
ちなみに、
事業再構築補助金における採択件数は
およそ55,000件が見込まれています。
<申請要件>
次の3つが、主要要件となっています。
目指す申請枠にかかわらず、
まずはこれらの要件を満たすことが必須となります。
1⃣売上ダウン
申請前の直近6か月間のうち、
任意の3か月を設定します。
その3か月分の売上が、
コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の
同じ3か月と比べて10%以上売上ダウン
していることが必要です。
※「任意の3か月」は、連続してなくてもOKです。
2⃣事業を再構築する取り組みの実施
補助金制度がたてている
事業再構築指針に沿って
新分野展開、業態転換、事業・業種転換
などをおこないます。
3⃣認定経営革新等支援機関との事業計画策定
要件のひとつとして、
国から認定を受けた認定経営革新等支援機関と
事業計画を策定する
ことが必要です。
さらに、
補助希望額が3,000万円を超える申請案件
については、
事業計画の策定に金融機関が加わる
ことも求められます。
<申請枠>
通常枠のほか、
企業規模に応じて2枠が用意されています。
また、
緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や
不要不急の外出・移動の自粛等により
影響を受けた事業者向けの特別支援枠として、
「緊急事態宣言特別枠」
がもうけられています。
緊急事態宣言によって深刻な影響を受け、
早期の事業再構築が必要な事業主
に対しては、
通常枠で加点措置もおこなわれます。
また、
事業主が特別枠を採用して申請した結果、
仮に不採択となったとしても、
一定の加点措置がとられ、
通常枠で再審査をしてもらえるわけです。
⇒採択率が引きあがる可能性大!!
<補助率と補助金額>
採用枠によって、
以下のように幅広く設定されています。
その上限額は、1億円にものぼります。
(補助率)
(補助金額)
ちなみに、
補助金が支給される時期は、
採択決定から事業報告などを経て、1年程度経過後
と想定されています。
<対象経費>
次のような経費が対象となる予定です。
たとえば、「建設費」に該当する経費は、
既存の補助金では
これまで対象としてあまり見受けられませんでした。
それだけ、サポートとしても充実しているといえます。
すでに補助の対象外と公表されている経費も
まとめてみました。
<申請方法及び期間>
すべてオンライン申請となり、
電子申請システム(jGrants)を使用
します。
※jGrants
また、申請期間は、
3月からひと月程度で現在最終調整されています。
交付決定後、
事業の実施と実績報告(6か月~1年?)を経て、
補助金が支払われます。
(中小企業庁:補助のながれ)
※申請公募は、
令和3年度中に複数回実施される予定です。
※緊急事態宣言特別枠に関しては、
補助金の支給までのプロセスが早まります。
<事業の具体例>
補助対象となるような事業の具体例をあげてみました。
昨年、菅内閣総理大臣は、
中小企業の生産性には課題があり、
再編などの改革をする必要がある
という発言が報道されました。
※NHKの報道
たとえば、中小企業のスタッフが少ない中で、
利益をより多く上げられる仕組み作りが
課題であるとすれば、
インターネットを経由した営業や
販売プロセスの業態の事業などは
この補助金の申請にマッチするのではないでしょうか。
【申請における注意点】
事業再構築補助金を申請するにあたっては、
以下に注意しておきたいところです。
①電子申請システムのアカウント取得
経済産業省が公表している事業概要では
「電⼦申請のみを受け付ける」
と明記されています。
電子申請をおこなうためには、
事前に
「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要
です。
注目の補助金制度であるため、
申請希望者の登録申込の殺到によって、
アカウントの取得までに数週間以上かかる
ことが予想されますので、
早めのアカウント取得作業をおすすめします。
※GビズIDプライムアカウントは
オンラインで必要事項を記載し、
定められた書類(印鑑証明など)を
郵送提出してIDを取得します。
②他の補助金制度との併用NG
原則として、
「同一事業や機械装置」については、
ものづくり補助金など、
国が創設した別の補助金制度と
同時に受給できない
ルールとなっています。
※別事業で補助金を支給された場合は、
この補助金の申請や支給が認められます。
③事業計画の策定
事業再構築補助金の審査に通るためには、
合理的で説得力をもった事業計画を
立てなければなりません。
そのため、構想段階から
早めに事業計画を準備することが必要です。
※具体的な審査項目は、後日公表される予定です。
※同じ申請で、複数の事業計画を策定することもOKです。
④他機関との関与
事業再構築補助金の事業計画は
認定経営革新等支援機関と協力して
策定する
ことが必要となります。
また、申請時には、
認定支援機関または金融機関による
確認書の提出が必須
となります。
⇒当事務所までご相談ください。
⑤補助金の支給
事業再構築補助金は、
申請してもすぐに支給してもらえるわけではなく、
審査を通して採択され、
事業の実施を経て支給されます。
そのため、一定の時間がかかります。
補助金の支給は、事業実施と経費支出後
となることにご注意ください。
※一定の要件を満たす事業者の場合は、
補助額の一部の「概算払い」も予定されています。
※補助金の特徴や助成金との違いについては、
以前のコラムでもご紹介しています。
⇒こちら
3月申請受付スタートを前提として、
今後、正式なルール詳細が公表される
予定となっておりますが、
ルールの幅は広く、複雑であるため、
情報の収集や分析は、
想定以上に大変な作業となります。
自分の会社や事業は要件を満たしてる?
認定支援機関はどうやって探せばいいの?
事業計画はどう策定すればいいの?
限られた期間で申請準備はどう進めよう?
WINDS行政書士事務所でも、
こういった事業者さまのお悩みやご相談、
申請サポートを承っております。
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