【VISA必要?】外国人のリモートワーク
2021.09.08[VISA]
【令和のワークスタイル「リモートワーク」】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
インターネットの発達、
また昨今での、
新型コロナウイルス感染拡大の影響で
リモートワークが注目されています。
インターネットの環境が整っていれば、
いつでも、どこでも仕事ができ、
作業効率や時間の使い方も劇的に変わりますね。
この条件や効果は、日本人だけでなく、
外国人であっても同じです。
たとえば、日本の事業者さまが、
海外在住の外国人スタッフを採用して
リモートで仕事をしてもらう
今まで出社していた外国人従業員に
在宅勤務に切り替えてもらう
ということも、十分可能です。
しかしそこで心配になることは
いくつか発生します。
国内の手続きで、まず第一に引っかかるのが、
VISAです。
リモートワーカーには就労VISAが必要でしょうか?
就業条件によっては、
VISAはもちろん、設定すべき労働条件も変わります。
【リモートワーク雇用のメリット】
外国人をリモートワーカーとして雇用する
メリットは、次のようなものがあります。
①雇用コストや通勤時間の削減
たとえば、
雇用する外国人にリモートワークする場合、
在住場所が国内外問わず、
通勤に必要な交通費や
通勤時間といった負担がなくなり、
社内コストパフォーマンスの向上
につながります。
海外から呼び寄せ予定の人材の場合、
リモートワーク採用とすれば
来日する必要がなくなり
配偶者の出産や転勤などの方針も、
リモートワーク雇用への切り替えで
工夫することができます。
②従業員の働きやすさの確保
たとえば、在宅勤務とすれば、
通勤時間を使う必要がなくなり、
自由に使える時間が増えます。
さらに、
休憩時間を使っての
家事との両立、さらには
家族や友人とのコミュニケーション
も増え、
出社必須の仕事と比べると
かなり働きやすくなります。
採用する人材が、
海外在住の外国人人材であれば、
現地の家族や友人・知人と離れずにすむ
というメリットも出てくるでしょう。
③海外からの有益な情報の入手
日本国内だけでは、得づらい情報というのもあるものです。
海外在住のリモートワーカーを介して、
海外の文化や最新トレンド
話題となっている技術
など、海外の生の情報をいち早くキャッチでき、
アイデアやビジネスチャンスが広がることによって、
より有効な事業戦略を立てられます。
④時差を利用したオールタイム営業
日本と海外では、時差が発生しますが、
これを営業時間に利用することができます。
例えば、
日本での日中に業務指示を出し、
夜、海外で午後にあたる時間帯で
現地で作業を進めてもらい
翌日の日中に作業レポートを受ける
など、実質24時間、無休経営も可能となるでしょう。
限られた営業時間を、時差を使って、
効率的に、スピーディーに仕事を進められる
というメリットは大きいですね。
【リモートワーク雇用の課題】
海外在住のリモートワーカーの雇用は、
メリットの反面、注意点やリスクもあり、
十分に気をつける必要があります。
①居住地のビザ・税金などに関する法律を確認
日本の企業が、
海外の外国人人材を採用し、
日本に呼び寄せる場合は、
就労VISAが必要となります。
同様に、リモートワーク雇用するときも、
場合によっては、
居住地で就労VISAを
取得しなければならない場合があります。
また雇用時に発生する、
税金や年金、社会保険などの制度も
国や地域によって仕組みが様々です。
海外在住のリモートワーカーを雇用する場合には、
居住地の法律に違反することがないよう、
しっかりルールを確認したいところです。
②通信環境の整備
電話やインターネットは、
多くの国で一般的に使えていますが、
必ずしも
日本と同じレベルで回線環境が整っているとは限りません。
場所によっては、回線自体に問題がなくても、
タイムラグ
コンピュータに命令を入力してから
命令が実行・反映されるまでの遅延時間
が生じることもあります。
特に、リモートワーカーの居住地が
先進国でない場合、このリスクが高まります。
③就労規定、評価基準
海外在住リモートワーカーは、
出社しなくてもよい
さらには時差も発生する
ことから、
勤務実態の把握が難しいと予想されます。
こういった背景から、
評価基準は成果物とすることが多いですが、
成果として達成できなかったタスクや、
他の従業員のアシスト業務は
評価に繋がりづらくなり、
リモートワーカーの不満が出やすくなる
リスクがあります。
仕事内容や貢献度を
平等に評価できるようにするため、
採用段階から、
社内規定に新たな基準を設けたり、
就労規則を綿密に定める必要性があります。
④時差の把握と調整
時差を利用した効率的な仕事は
メリットとなる一方、
時差のせいで、
日本側の従業員とスムーズに連携が取れない
ことも考えられます。
完全に稼働時間が重なっていない国同士で、
些細な確認やコミュニケーションの時間がかさみ、
非効率になってしまうことも想定されます。
ミーティング時間や作業の締め切り日時などは、
日本と海外どちらの時間を基準に設定するのか
双方に負担なく稼働できる時間帯か
も事前に把握しておきましょう。
⑤コミュニケーション
海外在住のリモートワーカーとの連絡は、
基本的にメールやチャット、ビデオ通話
が中心になると想定します。
これらのツールは、
仕事のときに実際に顔を合わせないことから、
表情や言葉のニュアンスが伝わりにくい
のではないでしょうか。
言語や価値観の壁もある外国人の場合は、
さらにコミュニケーションが難しくなります。
外国人リモートワーカーとのコミュニケーションは、
なるべくシンプルでわかりやすい言葉で
ゆっくり話す
作業の区切りごとに一緒に理解度を確認する
など工夫したいところです。
【VISAはどうするの?!】
結論から言うと、
海外在住のリモートワーカーに
就労ビザが必要かどうかは、
居住地の法律・仕事内容・取引先
などによって異なります。
そのため、
すべての例をご紹介するのは難しいですが、
リモートワークを行う外国人を
2つのケースに分けてみます。
①海外在住の外国人雇用の場合
日本が発給する就労ビザは、
原則的に
外国人が日本に入国・在住する場合
に必要になります。
そのため、
来日予定がない外国人は、
就労ビザは不要です。
税金に関しても、
役員報酬以外の給与は源泉徴収不要です。
ただし、
1度日本に住んだことがある外国人が、
日本に住所を残したまま
母国に帰国してリモートワークする場合、
日本の居住者と扱われる
ので注意が必要です。
居住者の給与は、
発生したとき海外にいたとしても
日本の課税対象なので、
源泉徴収対象となります。
(3)国内在住の外国人雇用の場合
外国人が、日本に入国して
日本企業の仕事に従事する場合には、
リモートワークか否かに関わらず
就労ビザが必要です。
手続き方法やビザの種別は、
仕事内容が同じであれば、
会社に出社して働く場合と変わりません。
税金に関しても、
日本国内に住所があれば
日本人の社員と同じように課税されます。
※VISA申請に進んだ場合、
申請者や入社する会社に応じて、
勤務時間やスケジュールの予定表などの書類
を提出するよう、要請を受ける場合もあります。
【会社の特性に合わせた雇用採用を】
リモートワーカーの就労ビザは、
居住する国・地域によってルールが異なります。
また、実際に顔を合わせることがないため、
評価基準やコミュニケーション方法
にも工夫が欠かせません。
しかし、
企業・従業員の双方にメリットが多いので
これからの就業スタイルとして
評価されていくことになります。
海外在住のリモートワーカーを
雇用することを検討されている場合は、
まず国ごとの法律を確認しましょう。
外国人のVISA申請、
また関連するケースについて
WINDS行政書士事務所でも、ご相談を承ります。