【廃業を決めたときの】廃業サポート制度
2021.10.13[事業支援]
【廃業という決断をしたとき】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
2020年は
新型コロナウイルスの感染拡大、
東京オリンピックの延期が決定し、
経済活動は非常な大きな打撃を受けました。
引き続く緊急事態宣言の発令や
自粛ムードの加速によって、
飲食店や娯楽、小売など、
あらゆる施設の自粛要請が長引き、
業種によっては、
その営業形態を大きく変えざるを得ず、
経営状態が悪化している事業者さまも増えています。
今年9月をもって
緊急事態宣言が全面解除となりましたが、
完全にはコロナは終息していないなか、
廃業を決断する経営者さまも少なくなく、
飲食業・観光業を中心に、
各産業での廃業数が増えている
ことも事実です。
<休廃業・倒産件数推移>
<産業別休廃業・解散件数>
※東京商工リサーチデータを参照しました。
事業者さまにとって、
自主廃業は非常につらい決断であり、
その負担も大きいかと思いますが、
国や自治体の廃業サポートを受けることで、
廃業にかかるコスト負担を
軽くできる場合があります。
今回のコラムでは、
行政の用意している5つのサポート制度
をご紹介します。
事前に内容を把握することで、
いざというときのご活用にお役立てください。
【再挑戦支援資金(再チャレンジ融資)】
日本政策金融公庫の融資制度で、
1度事業に失敗した方
(自己破産や廃業経験のある方)
など、
通常融資を受けるのが難しい
とされる皆さまが
事業経営を再び挑戦するとき
に利用できます。
融資枠は、
国民生活事業と中小企業事業
の2種類が用意されており、
それぞれ
融資限度額・利率・返済期間が異なります。
※担保有無で、基準利率が異なります。
※技術・ノウハウ等に新規性がみられ、
一定の要件を満たす事業者は
挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)
も利用可能です。
未経験分野での進出であっても可能ですが、
具体性のある事業計画や構想がないと、
審査の通過が厳しくなる
ことが予想されますので、
事業者さまの強みをより活かせるよう、
すでにご経験のある分野での再チャレンジ
をおすすめします。
【自主廃業支援保証】
事業の譲渡や経営者交代などで、
事業の継続が見込めず、
経営者が廃業を決断する際には、
さまざまな廃業費用が必要となります。
そういった廃業費用を、
廃業までにスムーズに調達できる
制度です。
要件をすべて満たす中小企業者は、
信用保証協会が保証を受けることができ、
3,000万円以内の支援保証を受けられます。
制度の要件や内容は、以下のとおりです。
※バンクミーティングとは、
債権者である金融機関の関係者が、
申込人へのサポート内容などを検討する場です。
【事業承継補助金】
事業承継を機会とした
新たな取り組みや廃業にかかる費用や
事業引継ぎ時のを費用を
一部補助してもらえる制度です。
親族内承継やM&Aなど、
状況に合わせた廃業サポート
を受けることが魅力です。
【国税の納付猶予制度による廃業支援】
新型コロナウイルスの影響で
納税が難しい場合、
一時的に支払いの猶予を受けられる
制度です。
次のいずれかに該当する事業者は
税務署に申請することによって、
原則1年間の猶予措置を受けられ、
猶予期間中の延滞税が軽減、免除されます。
猶予を受けるための担保も、原則不要です。
納税期限から6か月以内に
申請書を提出していなければならない
ことに、注意したいところです。
【創業再チャレンジ支援事業補助金】
東京都港区で実施されているサポート制度です。
コロナの影響によって、
1度倒産または廃業された事業者さまが
区内で創業に再チャレンジするため、
経費の一部補助
を受けることができます。
【制度利用のためには事前準備を】
各廃業サポート制度は、
一定の要件を満たさなければ利用できません。
次へのステップの確実性がないまま、
強引に廃業すれば、サポートを受けられず、
取り返しが付かなくなってしまいます。
コロナ禍の中、
余裕がなくなる場面もあるかと思いますが、
制度要件の確認や申請は、
慎重に進める必要があります。
特に、補助金は、
廃業やM&A、事業承継実施後の支給
が基本となり、
関連書類の作成や審査が待っています。
補助金はすぐに受け取れるのではなく、
一定の期間があることには、注意が必要です。
※事業承継やM&Aについては、
以前のコラムでご紹介しています。
⇒事業の承継
⇒企業の買収=M&A
新型コロナの影響による廃業サポート
を活用するときは是非、
WINDS行政書士事務所にご相談ください。
後継者問題や廃業事情にも精通したノウハウで、
フルサポートいたします。