コラム

【11月速報!】帰国、入国緩和措置

2021.11.06[VISA]




【待ち望んでいた入国緩和】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
衆議院議員選挙が終わった翌日の
11月1日深夜帯、
私たちにインパクトの大きいニュースが
飛び込んできました。

日本政府は、
日本への入国者に対する水際対策を
緩和する検討に入った

というものです。
日本経済新聞:新規入国、水際対策の緩和

この報道から1週間後の11月5日、
政府から入国緩和策が正式に公表

されました。

コロナ禍において、
全世界の生活スタイルが激変して2年。
日本入国に関わる皆さまにとっては、
非常にプラスにはたらく措置です。

7月30日現在、
在留資格認定証明書(CoE)の
交付許可を受けた約35万人の外国人

日本への入国を控えています。
8月以降も交付許可が出ていることを
想定すると、
日本に入国できない外国人はそれ以上
と予想できます。
e-stat:在留資格審査データ
日本経済新聞:来日できない外国人37万人

日本へのスムーズな新規在留を望んでいた
たくさんの外国人

の皆さまにとっては、
じつに待ち続けた、
そして、それにこたえるニュース

ではないでしょうか。

今回の政府の公表内容をもとに、
緩和内容や、今後予想できるながれを
くわしく説明します。




【報道された緩和策の内容】

今回、
政府から発表された水際対策の緩和策は、
次のとおりです。

<緩和内容>
これまでは、
日本に入国の際は2週間前後、
ワクチン接種者であっても

10日間前後の待機期間
がもうけられていましたが、
ビジネス目的の短期入国者
については、
ワクチン接種済み
また
待期期間後の検査結果が陰性
を条件に、
待機期間は3日前後に短縮
されます。
10日間から2週間強いられていた待機が、
3日ほどで済むというのは、
身体的にも精神的にも、
非常に大きいと考えます。



<対象者>
ジネス目的で入国を希望する外国人
が、緩和対象の中心となります。
ただし、
①外国人を受け入れる企業や団体
 (勤務先・実習先企業、学校)がいる
②企業や団体が
 入国外国人の活動計画書を提出する

ことが、
VISA発給や緩和策の条件
として定められました。



<厚生労働省>水際対策緩和対象フローチャート


※行動計画書その他の申請書類については、
 厚生労働省からテンプレートが発表
 されています。


<緩和スタート時期>
11月8日10時から適用となります。



<緩和のための手続き>
入国において、
待期期間の短縮を希望する場合
受入機関・団体
必要な申請書類を作成、デジタルデータ化
入国前に関係省庁に提出
すること、
また、
入国者は、
査証発給手続きのとき
受入機関・団体が申請した結果得られる
審査済証を在外公館へ提出
すること
が必要です。
<厚生労働省:緩和適用事務フロー>

※緩和策適用のための申請書類が、
 厚生労働省より発表されています。


※11月25日より、
 受入責任者の業所管省庁が経済産業省以外の場合、
 審査済証発行申請はWEBシステム(ERFS:エルフス)
 を利用することとなりました。

 ⇒
https://www.hco.mhlw.go.jp/entry-announce/

<懸念点>
今回の入国緩和策は、
政府からの公表情報だけでは
不確定の情報がまだあります。
したがって
どの帰国者・入国者にも適用されるとは限らず、
緩和策を受けても、
2国間の様々な事業によって
入国が難しい場合もある
と考えてよいでしょう。





<そのほか>
この緩和策を受けて、
国別に設定されていた

検疫所指定の宿泊施設での待機期間が
大幅短縮または撤廃

と変更されています。

しかし、これとは反対に、

待機がなかったのに3日間待機対象に
加えられた国もある

ので、注意しましょう。

この変更措置は、

11月8日0時より適用となります。



また、11月5日付で
在留資格認定証明書(CoE)の有効期限
について
新たな特例措置がもうけられています。
有効であるのは
2019年10月以降に発行されたものから

であること、
在留資格認定証明書の発行時期によって
有効期間が変わる

ことに、注意したいところです。

<出入国在留管理庁:CoEの有効期間>


※留学VISA、技能実習VISAは
 一定の要件を満たす企業や機関の受け入れ
 を条件として、
 11月8日から、
 在留資格認定証明書の作成が早い順に
 申請できます。



※このほかにも、
 日本との往来の緩和策が続いており、
 詳細は対応方法などを
 別のコラムでもご紹介しています。
 ⇒こちら





【関係者の準備】

外国人の入国緩和に伴って、
受け入れる企業や団体、
技能実習の場合は送り出し機関と
入国前にさまざまな連携をしていく必要があると考えます。
事前に確認をとっておきたいポイントを
ピックアップしてみました。



【今後の水際対策はどう変わる?】

コロナ禍における水際対策は、
2021年に入ってからも、少しずつ緩和の方向で
運用が調整されていました。
今年夏ごろからの緩和状況は、
次のようになっています。
今回の緩和策も、
段階的に入念に調整されてきた
ことがうかがえます。



緩和が計画どおりに進めば、
入国者のもうひとつの規制対象であった
公共交通機関の使用
が認められたり、
入国後隔離の完全免除
ノーVISAでの日本渡航再開

の道も開けてくると思われます。

その一方、
大幅な緩和ではなく、
まずはビジネスや留学をターゲットとしているため、
今後は、

観光客
ワクチン接種困難者(子ども、疾患者など)
&同伴入国者
効果が国際的に懸念されているワクチン
(中国製、ジョンソン&ジョンソンなど)接種者
地方にお住まいの方


といった皆さまを対象とした緩和も
待たれるところです。

WINDS行政書士事務所でも、
VISA申請とかかわりのある
渡航、国内水際対策の最新情報を注視していき、
今後も、
外国人や渡航予定のあるすべての皆さまを
サポートいたします。
相手国の状況も重要な情報となりますので
迷われる場面は、
どうぞお気軽にご相談ください。