コラム

【さらに便利に!】VISAのオンライン申請

2022.08.10[VISA]





【新時代のVISA申請はオンライン!】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
外国人が日本に在留するために必要な、VISA。
VISAを取得するためには
出入国在留管理庁に申請をして
許可を得ることが必要です。
私も日々、
外国人の皆さまのVISAサポートで
東京はもちろんのこと、場合によっては
地方の出入国在留管理局に行くこともあります。

基本的にVISA申請は
外国人が居住または就労する入国管理局に
出向いておこなうのですが、
実は数年前から、
インターネットを使って申請
することができます。




【在留資格オンライン申請】

在留資格オンライン申請は、
外国人のVISAに関わる申請を
インターネットでおこなうことができる仕組み

です。

このオンライン申請は、
2019年7月よりスタートし、
さらに2022年3月からは、
対象の申請やVISAの範囲が拡大
され、
さらに便利になっています。

現在の
オンライン申請対象の申請とVISAは
次の通りです。


⑥⑦は、②~④と同時に行う場合だけ
 オンライン申請OKです。



技能実習VISAについては、
 団体監理型の場合、
 監理団体からのみオンライン申請OKです。

特定活動VISAについては、
 告示3号、4号、6号、7号、9号、10号、
 12号、15号、16~24号及び27~31号、
 32号、33号、34号、35号、36号、38号、
 39号、42号、46号、47号、
 特定家事支援活動、特定農業支援活動、
 告示外、
 新型コロナウィルス感染症の
 感染拡大を受けた人

 対象となります。
 
以前のコラム
 特定活動VISAをご確認ください。

※VISAの種類については、
 当ホームページでもご紹介しています。
 ⇒
こちら

オンライン申請手続き対象外のVISA
外交、短期滞在、特定活動(出国準備期間)
の申請は
オンラインでおこなうことはできず
出入国在留管理局に出向いて
申請をしなければなりません。


そして、
オンライン申請ができる人は
次の6者だけです。
私も③に該当する行政書士として
日々の業務に活用しています。


※②は
 所属機関から依頼を受ける必要があります。
※③④であっても無条件にOKではなく
 取次者の資格がある者だけです。
日本人の配偶者等VISA希望者が
 対象申請の①
を希望する場合
 申請者の配偶者or子or父or母が、
 日本に居住している場合
   にかぎり利用できます。

※対象申請②と③の場合は
 原則として、申請者が16歳未満の場合
 or疾病その他の事由により自分で申請できない場合
 に限って、利用可能です。





【オンライン申請のメリットと注意点】

私も実際に
オンライン申請ユーザーとして、
外国人本人やほかの代理人の方が
申請する立場を想定したうえでの
メリットと気を付けるべき点を
ピックアップしてみました。

<メリット>
①いつでも申請できる

通常の申請は
受付時間は原則9時から15時30分までに
出入国在留管理局に出向く必要があります

ので、
受付時間に間に合うように
スケジュール調整しながら
申請しなければなりません。
これに対してオンライン申請は、
必要なツールと申請書類データさえ揃えば、
24時間、土日や祝日でも、お正月でも
申請することができます。

天候や都合の悪い日に外出しなくて済み、
いつでも申請できるというのは
大きなメリットと考えます。
※出入国在留管理庁には
 8時30分から入場可能です。
※在留期限満了日当日の申請だけは
 オンライン申請NGです。


②スタッフの申請を一括でおこなえる
たとえば、
事業者の会社で
外国人スタッフが
全国の異なる拠点や事業所に在籍する場合、
複数の外国人スタッフの在留期限が
ほぼ同じであった場合、

スタッフが勤務する事業所
または住所を管轄する出入国在留管理局で
VISA申請をしなければなりません。

東京や大阪、名古屋など、
管轄エリアが分かれていると
それぞれの出入国在留管理局に
行かなければならなくなります。

この点、オンライン申請では、
そういった条件の外国人スタッフがいても
所属機関は同じタイミングで、同じ時間に
まとめてVISA申請をおこなうことができます。

当然のことながら、
地方の出入国在留管理局に行くための
交通費負担もなくなります。


③申請の待ち時間がない
通常申請で出入国在留管理局に出向く場合、
申請受付カウンターで
申請の受理を待たなければなりません。

午前中の時間帯ではMAX300件待ち
午後ではMAX500件待ち

ということもあります。
申請1件あたりの申請書類チェックには
最低でも30分前後かかりますので、
自分の申請が受理される順番が回ってくるまで
待機していなければなりません。

これに対してオンライン申請は、
そのような順番待ち時間がいらず
効率的な申請が可能となります

ので、
申請者の時間を有効に使うことができます。


<注意点>
①日本国外からの申請NG

出入国在留管理庁に出向かずに済む
オンライン申請ですが、
残念ながら環境条件がひとつだけあります。
それは、
外国から外国のIPアドレスからは
オンライン申請システムにログインができない

ということです。
これを簡単に説明すると、
日本国内でしかオンライン申請できない
ということになります。

②申請者の日本在留
たとえば、
上記VISA申請のなかの①以外は
申請者である外国人が
日本国内に在留していることが申請条件

となっています。
これはオンライン申請の場合も例外はなく、
申請者である外国人が日本国外に出てしまうと
VISA申請をすることはできません。

代理人や弁護士、行政書士が
VISA申請サポートする場合も
この条件は変わりません。

③書類のデータ加工が必要
オンライン申請であるため、
申請書や書類、写真
紙で提出する必要はないのですが、
代わりに、
すべて電子データにしなければなりません。
加えて、
オンライン申請で
アップロードできる電子データは
10MB以内にまとめる必要があります。

オンライン申請に慣れていない方は、
この作業で苦労をされるかもしれません。




【オンライン申請をするためには】

VISA申請をオンラインでおこなうためには、
事前準備として

申請者本人、一般の方
①利用者情報登録
所属機関、特定技能登録支援機関
、公益法人の職員
②利用申出


と必要手続きが分かれます。

①利用者情報登録
まずは、次のものを用意します。


※JPKIは以下のリンクからダウンロードできます。
 ⇒こちら

※スマートフォンでのオンライン申請は
 できません。


利用者情報登録のための
ファーストステップとしては、
申請者または代理人のマイナンバーカードを
カードリーダに読み取らせ、
登録後に認証IDを取得します。
このカードリーダは
マイナンバーカードに対応したものが必要

となることに、注意しましょう。





利用者情報登録をした場合の
オンライン申請ができる期間は、
マイナンバーカードの
「電子証明書」の有効期間
(≠マイナンバーカード自体の有効期間)

となります。

利用者情報登録の有効期限が過ぎた後も
引き続き利用したい場合
は、
電子証明書が登載された
マイナンバーカードを
再取得
してから、
改めて利用者情報登録をしましょう。

②利用申出
利用申出は、
地方出入国在留管理庁の審査管理部門に出頭
または郵送で
おこない、
認証IDを取得します。


※弁護士や行政書士は
 一般の申請者に比べて
 必要なツールが省略されています。


利用申出の有効期間は
承認後のパスワード設定から1年間
です。
1年間の有効期間が過ぎた後も
引き続き利用したい場合は、
有効期限の1ヶ月前までに
新規利用申出をした
地方出入国在留管理官署に
出頭または郵送で定期報告をおこないます。

※定期報告の審査期間は、
 おおむねひと月程度です。


オンライン申請が利用できる所属機関は、
次のような条件をすべて備えている

ことが必要です。


※所属機関のカテゴリーについては、
 以前のコラムでもご紹介しています。
 ⇒
こちら

また、利用申出人は、
申請等取次者証明書がある
申請等取次者の承認要件を満たしている

という要件を満たすことが必要です。

認証IDは
あくまで申出をした個人に対して付与される

ものですので
ほかの職員は同じ認証IDを利用できない
ことになっています。
オンライン申請を担当する職員が
退社や人事異動などにより変わる場合は
後任の職員による
追加利用申出をしなければならない

ことに注意しましょう。




【オンライン申請の利用】

事前準備として認証IDが付与されると
いよいよ
オンライン申請手続きがスタンバイ
となります。

各VISA申請の所定書式としての
申請書は作成する必要がなくなり、
各フォームに必要情報を入力していきます。

申請項目入力以外に
提出が求められる書類は、
オンライン申請画面でアップロードのうえ、
提出します。
添付書類のアップロードにおいては、
pdfファイル1種類のみ
ファイルのサイズを10MBまで
推奨解像度は200dpi以上

というルールを守りましょう。

万が一、
オンライン申請で
すべての添付書類を提出しきれない場合
は、
添付書類のすべて
または

アップロードからもれた分を
後日オンラインで追加提出
or
管轄の地方出入国在留管理官署に郵送で提出

します。(別途運用ルールあり)




【申請後の手続き】

オンライン申請が完了すると、
出入国在留管理局の審査がおこなわれます。
審査をクリアした場合は、
在留資格認定証明書(CoE)や在留カード
などを受領します。

在留資格認定証明書は、原則郵送で交付されます。
在留カードについては、
その交付方法を
郵送または窓口のいずれか、選択
します。

オンライン申請システム上
申請状態が
「申請完了」や「審査中」のステータス
であった場合、

在留カードの受領方法の変更も可能です。

郵送申請の場合は、
出入国在留管理局に
収入印紙を貼った手数料納付書と
簡易書留代金分(=404円)
の切手を貼った返信用封筒を郵送
します。
※返信用封筒の代わりに
 レターパックを使用することも可能です。
※手数料納付書には
 申請者本人のサインが必要です。

※オンライン申請上、申請ステータスが
 「申請完了」or「審査中」
   と表示されている場合は、
 受領方法の変更が可能です。


ちなみに、
通常申請をおこなった申請者が
VISA申請中に日本を出国する場合、

在留カード裏面の
「申請中」スタンプを出国審査時に提示する

というルールがありますが、
オンライン申請では、
申請者の出入国状況の管理がシステム化されている
ため、
申請者は
在留カードにこのスタンプがなくても
問題なく出国と帰国ができるようになります。


ただし、
・上記の対象VISA申請⑥⑦の場合
・在留カードの交付ではなく、
 パスポートへの証印にて許可をおこなう
 (=在留カードを交付しない)場合
・在留カードに漢字氏名併記の申出を
 新規でおこなう場合
・在留カードの
 「有効期間」更新申請をともなう場合

は、郵送受領は認められず
窓口でないと受領ができません。





【充実のオンライン申請を活用しましょう!】

VISAオンライン申請は、
外国人本人や所属機関の職員さんが
この申請をおこなう場合、
事前準備で気を付けるべき点と手順があり、
利用申出という別の手続きがあったりと、
申請者の立場によって
注意しなければならない点が異なりますが、
対象のVISAが充実、利用機会も拡大されており
大変便利なツールとなっています。
実際、VISA申請サポートをおこなっている私も、
業務上非常に助かっています。

WINDS行政書士事務所はVISA申請において、
このオンライン申請を活用することで、
全国の出入国在留管理庁に対して
さらに迅速なサポートが可能となっています。
今後もお客さまの負担を減らしていき、
充実した体制を整えておりますので、
ご希望の場合は、是非ご遠慮なくご相談ください。