コラム

【抽選で当たるグリーンカード!】アメリカ永住権DVプログラム

2024.09.04[VISA]


※Q&A<ルール編>を
 
こちらのコラムでご紹介しています。
※Q&A<手続き編>についても
 今後のコラムでご紹介していく予定です。




【くじで当たっちゃう?!アメリカ永住権】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
私たちがアメリカで永住するためには
永住権=グリーンカードが欠かせず、
その取得方法は
希望者のステータスによって
いくつかの選択肢に分かれます。
※グリーンカード取得のための
 選択肢については、
 以前のコラムでご紹介しています。
 ⇒
こちら

しかしグリーンカードの発給数は
年間で制限があるだけでなく、
必ずしも申請すれば取得できるとも限りません。
その場合には、
グリーンカードに応募、抽選で
取得が見込める

DVプログラムという制度を活用できます。

このグリーンカード抽選プログラムの
応募要件や方法、抽選の傾向や注意点について
詳しく解説します。




【DVプログラムとは】

DVプログラムとは
アメリカの永住権が抽選で当たるプログラム
であり、
Diversity Immigrant Visa Program
(多様性移民VISAプログラム

という正式名称を略したものです。

アメリカは合衆国という立場から
国民だけでなく、移民においても
多様性を大切にし、柔軟性を示しています。
それを具現化するべく、
1990年移民法Immigration Act of 1990
として制定、
1995年のDV-1995で本格稼働、
以降、年に1回のペースで
30年近くおこなわれています。

またこのプログラムにおいて
希望者は無料で応募でき、
当選すれば、所定の手続きを経て
永住者VISAが発給され、
永住者として無期限にアメリカに滞在、
就労も自由に選ぶことができます。
まさに、
アメリカンドリームを体現する制度
と言えますね。
※実際にアメリカ国務省の応募案内で
 Diversity Visa Lotteryとも表記され、
 Lottery(=くじ、抽選)制度であることが
 オフィシャルでも明言されています。
※移民の制度目的から
 移民分散化プログラムとも呼ばれます。


DVプログラムは、
DV-XXXX
というプログラム名を冠しますが、
XXXXに該当する数字4桁は
応募年の2年後の西暦をあらわします。
たとえば
今年2024年に募集のプログラムは
DV-2026
ということになります。

<対象国>
多様性重視という大原則のもと、
DVプログラムが応募可能な国は
世界を次の6エリアに分け、
各エリアで過去5年間において
アメリカにおいて民族的ルーツの低い国
つまり、
アメリカへの移民者数の割合が低い
と評価される国

となり、
この国での出生者かどうか
が要件のひとつとなります。
※自分の出身地が日本であれば、
 戸籍謄本に記載される出生地
 を確認します。




このエリア要件には、日本も含まれます
ので、
私たち日本人が応募する場合
誰でも平等に当選のチャンスが与えられます。

反対に、
今までアメリカが多く移民受け入れをしてきた
国の出生者は、このプログラム対象外となるため、
抽選の応募資格が与えられません。
直近のDV2025で対象外となっていた出身国は、
次のとおりです。


プログラム対象外国は毎年更新されます。
※日本で出生した外国籍者は
 出生地国である日本を出身地
 として判断します。


<応募資格者>
DVプログラムへの応募資格があるのは、
プログラム対象国出身に加えて、
次の要件を満たす者です。


※職歴で求められる「トレーニング」は
 アメリカ国務省が独自に定義するものですが、
 一般的な職務経歴があれば問題ありません。


上記で紹介している職務経歴要件は、
アメリカ労働省で詳細が定義されており、
職業レーティングSVP
(Specific Vocational Preparation (SVP) rating)
が7.0以上
であれば、
応募要件が認められます。

<プログラム期間>
DVプログラムは年に1回実施されており、
例年通りとすれば、
10月から1か月程度を応募期間として、
翌年の5月ごろに抽選結果発表
の運用となっています。

ちなみに
昨年実施されたDV-2025は
2023年10月4日から11月7日まで募集
2024年5月4日に抽選結果発表
でした。

今年実施予定のDV-2026は
9月頃発表予定

ですが、例年通り、
10月以降の募集受付開始
とみてよいでしょう。

アメリカ国務省DV-プログラム

<当選状況>
毎年のDVプログラムによる
当選者数=移民VISA総発給数は、
全世界で55,000人を予定しています。

過去の日本人の当選者数は、
毎年平均300名
確率としては約1%~3%

程度で推移してきました。

直近のDV-2024の抽選結果は、

 全世界有効応募数:約22,185,619件
 全世界当選者数:143,000件
 
(⇒当選確率0.64%)
 うち日本出身者:200件

 (⇒当選確率0.00009%)
 
となりました。
DVプログラム当選結果確認ページ

移民VISA総割り当て数の55,000人
について、実際には、
K.C.センターで
当選者の申請書類不備などによる不適格者
の発生予想のバッファをもって
約100,000人の当選者を抽出する運用

となっています。
そのため、
移民VISAの発給数が50,000件に達した時点で、
移民VISA申請の受付は締め切られてしまう
ので、
当選者された場合は、
本来の割り当て数のふるいにかけられる前に
早急に手続きを進めるべきです。




【DVプログラムを活用するVISA手続き】


DVプログラムの手続きはすべて、
オンライン&英語でおこなわれます。

希望者は応募期間内に
DVプログラムのページで応募手続きをします。
この応募手続きができる件数は

ひとり1件だけです。
ひとりで複数件応募すると失格になります。

応募完了の際には

コンファーメーションナンバー
(Confirmation Number)

が発行されますので、
控えておき、抽選結果を待ちます。

抽選は、応募データのなかから、

K.C.センター(Kentucky Consular Center)
のコンピューターで

ランダムにおこなわれます。

応募者は翌年の5月

アメリカ国務省DVプログラムのページ
抽選結果を確認することができます。
このときに
コンファーメーションナンバーや
個人情報の入力が必要です。
ここで当選したかどうかが
結果画面で判明します。

当選すると、
当選者だけに発行される

ケースナンバー(Case Number)が掲載された
当選通知ページに切り替わります。


<当選画面>


<落選通知>


幸運に恵まれ、当選した場合であっても、
その時点ではすぐに永住権を取得できている
わけではなく、
次は、実際に永住権を取得するために
次は
DS-260と呼ばれる申請書
そのほか必要書類を提出して

移民VISA申請をおこない、
大使館の当選面接を受けなければなりません。
アメリカ国務省:DS-260フォームサンプル

大使館の当選面接は
アメリカの会計年度に準じて

当選した年の10月~その翌年9月の間の1年
におこなわれます。

その後、
パスポート
アメリカ大使館からレターパックで返送され

有効期限付きの移民VISAが貼られている
ことを確認します。

移民VISA付きのパスポートをもって
アメリカに入国し、グリーンカードを取得する
ことで、晴れてアメリカ永住者となります。

今後予定されている
DV-2026をモデルとする場合、
希望者のおこなう手続きフローは
次のとおりです。
プログラム当選を果たしても、
実際にアメリカに行き
現実的にさらに1年の準備期間となる
ことを参考にして
永住計画を立てておきたいところです。





【DVプログラムにおける注意点】
DVプログラムへの応募、
またその後の手続きにおいては
応募時のミスを避け、当選のチャンスを高める
ための重要ポイントが存在します。

行政書士の目線で
私が考える重要ポイントをまとめましたので、
ご参考ください。

重要ポイント①最新ルールの確認
DVプログラムの応募期間が迫る
9月下旬以降になると、
アメリカ国務省から
オフィシャルインストラクション
が発表されます。
このインストラクションに
DVプログラムの
応募期間や資格、応募方法、必要書類、応募期間、
そのほか重要な情報が詳細に記載されています。
例年ほとんど内容は変わりがありませんが、
最新ルールでは対象外国が都度更新いることもあり
応募前には必ず、
オフィシャルインストラクションに目を通しておく
ことは、非常に大切と考えます。
前回DV-2025のオフィシャルインストラクション

また、当然ではありますが、
オフィシャルインストラクションは
すべて英語で記載
れています。
※DV-2018までは
 日本語バージョンがリリースされていました。
 最新のインストラクションと並行して
 チェックするのも良いと思います


重要ポイント②適切な応募
DVプログラムの応募フォームには、
事実に基づいて
正確な応募者の情報入力
適切なデータのアップロード
をしましょう。
応募者のプロフィールや経歴の入力ミス
規格外のデータアップロード
となると
情報不備を理由とした応募失格
応募後の移民VISA申請不許可

につながるおそれがあります。
応募者自身のライフイベント
につながる重要な作業

と認識して、慎重に応募しましょう。
※アメリカ国務省YouTubeチャンネルで
 
入力ガイドが公開されています。

重要ポイント③コンファーメーションナンバーの管理
DVプログラムの応募完了後に
表示されるコンファメーションナンバーは、
翌年の抽選結果発表の際、
応募者が当選しているかの確認に必要な情報ですので、
紛失しないように必ず控えましょう。
アメリカ国務省は
コンファーメーションナンバーの再発行
個別の当選情報の開示などをしない運用

となっていますので、
必ず後日も確認がとれるように保管しましょう。

重要ポイント④専門家活用の検討
DVプログラムの応募プロセスは
比較的煩雑なものとなりますので、
応募者自身で応募作業が難しいと感じる場合は、
専門家にコンサルティングや応募代行の依頼を
検討してみてください。
コストを考慮のうえ、自力応募した結果、
誤入力やルールの勘違いから
応募手続きが無駄にならないように
したいところですね。
当事務所にご相談ください。




【最新ルールに沿った応募で幸運を!】

アメリカ永住希望者が応募によって
グリーンカードを取得できる、DVプログラム。
日本人である場合は、
それだけで要件のアドバンテージがあり
ほかの要件も満たせば
誰にでもチャンスがある制度です。
ただし、その手続きは煩雑で
ミスにつながりやすい箇所も多いので、
慎重に確実に進めることが大切です。
オフィシャルインストラクションなどで
丁寧に最新ルールを確認しましょう。

一方、グリーンカードに精通した専門家に
応募代行やコンサルティングを受けることで、
応募だけでなく当選後の手続きも
はかどることは間違いありません。
応募準備も含めて、
サポートの依頼相談をおすすめします。

WINDS行政書士事務所は、
DVプログラムの活用、
その他グリーンカードの取得申請において、
最新ルールを把握し、
実績に基づいた豊富なノウハウで
多岐に渡ってサポートを行っております。
どうぞお気軽にご相談、お問い合わせください。