【アメリカVISA免除者向け⇒拒否事例も？！】ESTAの申請
2025.01.15[VISA]
【アメリカVISA申請なし⇒ESTAの申請】
アフターコロナとなった現在、
海外から日本にいらっしゃる外国人数、
そして私たち日本人も
海外への渡航機会が増えてきています。
昨年末のクリスマスから先日のお正月までに
海外で楽しいひとときを過ごされた方
も多いのではないでしょうか。
アメリカへ旅行や出張、定住を目指す方は
アメリカへ渡航する際に
原則、VISAの取得が必要ですが、
一定のVISA免除要件を満たす場合、
VISAの取得は不要ですが
おこなわなければならないのが、
ESTA
の申請です。
ESTAの申請内容と
拒否事例、そして事例別の対応など
幅広くご紹介します。
ESTAをすでにご存じの方も
初めて知るという方も、
より深くVISA免除ルールを
ご理解いただけると思います。
アメリカへの渡航のため、
アメリカ以外の国籍者は本来、
申請や面接を経て、有効なVISAの取得
が必要であるところ、
VISAが不要と認められる要件を満たす場合、
VISA免除プログラム
＝Visa Waiver Program
に基づき、
アメリカ入国の際にVISAが免除されます。
ただし、免除される者は
ESTA
＝Electronic System for Travel Authorization
＝電子渡航認証システム
と呼ばれるシステムの申請を
おこなわなければなりません。
ESTAは
アメリカ国土安全保障省（DHS）主管のもと
運用され、
2009年1月12日から現在まで続いています。
※ESTAに類似した
各国・地域システムとして、
ETIAS（ヨーロッパ、日本も2025年から対象）
eTA（カナダ、オーストラリア、イギリス）
K-ETA（韓国）
などがあります。
ESTAの申請は、
次の要件を満たす場合に限り、
該当者は渡航から72時間以上前に
オフィシャルサイトで
おこないます。
申請の結果、許可を得られると
許可後2年間
＆
パスポートの有効期間内
は、有効に使用できます。
ESTAの申請資格要件は、以下のとおりです。
※申請手数料はUS$21。
クレジットカード決済での支払いとなります。
※名前や性別、国籍の誤り、
過去ESTA申請での回答内容から
変更が発生している場合は、
有効期間内であっても
再申請しなければなりません。
要件の中のひとつである
VISA免除国は以下となり、
日本も対象国です。
ESTA申請完了後は、
スピーディに申請の受理、処理がおこなわれ
ほとんどは72時間以内に結果が分かります。
無事に承認された場合、
システム上次のように通知されます。
【要注意！ESTAの承認拒否】
ESTAは、
その資格要件を満たして許可を受ける一方、
資格要件を満たせず承認拒否
されることがあります。
承認がなされない場合は、
システム上次のように通知されます。
ESTAの拒否を受けた場合
過去に拒否歴を持つ場合は
今後VISAの免除が認められない
こととなり、その結果、
アメリカ大使館・領事館にVISA申請
をしなければなりません。
本来ESTAで渡航するはずの前提ですので、
この場合に対象となるVISAは
B-1やB-2がフィットすると考えます。
※アメリカVISAの種類については、
こちらのコラムでご紹介しています。
VISA取得においては、
申請が受理され面接を受け、
審査結果は面接から1週間～10日後
となっており、
ESTA申請に比べると
時間や労力面での負担が変わり
渡航予定者にとってはストレス
となります。
気になる拒否理由としては、
次のような事例が見受けられます。
※これら以外にも拒否理由が考えられますが、
アメリカ当局から
具体的な事例は公表されていません。
⇒当事務所までご相談ください。
【拒否理由によっては対応OKな場合も】
ESTAの拒否を受けた場合、
そのままアメリカへの渡航を見送る
という選択肢もありますが、
拒否歴が残ると、
次回ESTAやVISAの申請が必要な場合に
審査が厳しくおこなわれる傾向が高いです。
拒否されても渡航しなければならない場合、
そして
今後のアメリカへの渡航機会も視野に入れると
やはり拒否となった理由を理解したうえで、
何らかの対応を検討すべきと考えます。
承認拒否となった場合にとり得る対応について、
拒否理由のなかからピックアップして
4パターンに分けてご紹介します。
1⃣申請項目回答の不備
ESTAの申請項目は、
申請者の基本情報のほか、
過去のVISA申請却下や入国拒否歴
前科や伝染病罹患の有無
などがあり、
いずれも事実どおりに、正確に
回答する必要がありますが、
これらの回答入力ミスをしてしまう
ことがあるかもしれません。
この場合、負担にはなりすが、
ミスした申請から24時間以内に
申請料金を負担の上、
ESTAの再申請をすることができます。
部分的な回答項目を訂正したい場合
は、
CBP（U.S.Customs and Border Protection
＝米国税関・国境取締局）に電話・メールで
問い合わせや訂正リクエストも可能です。
CBPにリクエストした結果
修正が認められる場合は、
通常のVISA申請に必要な書類や
訂正内容の証明書類、当局とのコンタクト記録
などの提出が求められます。
＜CBP：問い合わせフォーム＞
対応した結果の当局回答が
訂正受付NGとなってしまった場合は、
ESTAの承認は見送り、
VISAの申請をしましょう。
※アメリカVISAの種類については、
こちらのコラムでご紹介しています。
2⃣申請全項目にYESと回答
ESTAの申請項目のなかには
過去のVISAやESTAの拒否歴や
前科、伝染病の罹患などの経歴
を問うものがあります。
これら経歴に特に該当しない場合、
通常はNOと申告しますが、
YESと回答してしまった場合、
申請者はアメリカの安全を脅かす危険因子
と判別され
ESTAシステム上自動的に申請拒否
されてしまいます。
この場合も回答ミス＝不備となりますので
1⃣と同様、
申請ミスから24時間以内にESTA再申請
または
CBPに該当項目修正リクエスト
をしましょう。
残念ながら修正が認められなかった場合は、
ESTAの承認を見送り、
VISA申請を検討しましょう。
また、
申請項目には事実にしたがって回答する
ことが大切です。
たとえば前科があるにも関わらず、
なしとするなど
虚偽の回答をして
当局で虚偽申請と判断された場合、
今後の渡航にも大きく影響がおよびます
ので、くれぐれも気を付けましょう。
3⃣過去にVISA不許可歴あり
過去にVISA申請をおこなった結果、
不許可や申請却下となったことがある場合
でも、
必ずしもその後のESTA申請で
自動的に承認拒否につながる
わけではありません。
不許可や却下歴があれば、
該当の経歴有無には正直にYESと回答
しましょう。
ただし、
VISA申請不許可や却下の理由によっては、
ESTAの承認を得ることが難しい
場合もありますので、
この点を考慮の上、
対応をVISA申請に切り替えるかどうか
を決めるべきと考えます。
⇒当事務所までご相談ください。
例外：ウォッチリスト対象者と同姓同名
通常ではあまりないケースですが、
ごくわずかな偶然で、
アメリカ当局がマークする犯罪者や危険人物
と同姓同名
基本情報を第三者に不正使用されている
などに該当する申請者が
ESTA承認を受けられなかった
という事例もあります。
2001年9月11日の
アメリカ国内同時多発テロ以降、
アメリカ政府はテロ対策を目的に
アメリカ愛国法、国防権限法
などの法案を成立させ、
これらのもと、
アメリカ国内での国民監視態勢を強化すべく
犯罪者やテロリスト、
危険活動への関与が疑われる人物は
監視対象者としてウォッチリストに登録
のうえ、
徹底的にマークされることになりました。
登録情報は当局だけでなく
諸外国政府や地方行政、一部民間企業にも共有
され、
VISAやESTAはもちろん、
フライト予約もNGとなるなどの不利益
を受けるリスクがあります。
※アメリカ自由人権協会（LCLU）：対テロ用要監視認定ガイダンス
※THE INTERCEPT：当局監視ブラックリストルールブック
もし申請者が
前科や承認拒否などがないにも関わらず
理由なしに承認拒否を受ける場合は、
この事例の可能性も考えてみて、
該当の可能性を感じた場合は、
DHS TRIP
（DHS Traveler Redress Inquiry Program
＝渡航者向け苦情申し立てプログラム）
のポータルサイトに問い合わせて
解決を試みることもできます。
問い合わせ対応した結果、
申請者が危険人物でないことが
当局で確認されれば、
情報の修正や誤認が認められ、
今後のVISAやESTA申請への
支障が取り除かれますが、
当局の再調査や修正対応には
通常約3か月かかります
ので、
渡航予定が迫っている場合は、
問い合わせ対応と並行してVISA申請
することをおすすめします。
【ほかにもある！ESTAの素朴な疑問】
当事務所では、ご紹介した
ESTA承認拒否理由とその対応アクション
以外についても
さまざまなお問い合わせを受けておりますが、
比較的多く寄せられるものをピックアップ、
Q&A形式でご紹介します。
今後の申請において参考にしていただけるとうれしいです。
Q1：アメリカへ渡航予定はないけど
ESTA申請OK？
A1：アメリカへの渡航予定がなくとも
ESTA申請はできます。
申請項目として、滞在先などは
未定項目としてUNKNOWNと回答
しましょう。
ただし、承認された場合、
その承認の有効期間に十分に注意しましょう。
Q2：日本とアメリカの二重国籍者。ESTA申請必要？
A2：二重国籍を含め、
アメリカ国籍保有者はESTA申請不要です。
VISAの申請も必要ありませんが、
渡航の際、日米有効なパスポートが両方必要
ですので、忘れずに準備しましょう。
※二重国籍者が利用するパスポートについては
こちらのコラムでもご紹介しています。
Q3：アメリカをトランジットして他国に渡航予定。
ESTA申請必要？
A3：トランジットのみであっても
ESTA申請をおこない承認が必要です。
Q4：ESTAの審査状況ってチェックできる？
A4：ESTA申請ウェブサイトにて
申請ステータスが確認可能です。
Q5：クレジットカード持ってない。
申請料を支払うほかの方法ってない？
A5: 申請手数料のUSD21支払方法は、
基本的にクレジットカードのみとなります。
万が一クレジットカードがない場合
取り得る選択しては、
第三者の方にお願いして代わりに支払ってもらう
申請代行サービスを受ける
などがございます。
⇒当事務所にご相談ください。
※決済利用OKのカード会社は現在、
Master、Visa、AMEX、Discover(JCB含む)
となっています。
Q6：ハワイやグアム、サイパンに旅行するときも
ESTA必要？
A6: 滞在予定日数がハワイは90日以内
グアムや北マリアナ諸島は45日以内
であれば、ESTAの承認は不要ですが、
それらを超える滞在日数であれば、ESTAが必要です。
ESTA申請不要の場合でも、
なんの申告もいらないというわけではなく、
I-736（出入国カード）は必要
であることに注意しましょう。
※I-736フォームは
デジタル、紙いずれかで提出します。
渡航する島によっては
紙申告NGという場合もありますので、
事前にチェックしましょう。
【確実なESTA申請で充実したアメリカ渡航を】
アメリカ渡航の際、
VISAが不要な方がおこなう、ESTAの申請。
一般的なVISA申請に比べると
手順はコンパクトですが、
1度承認拒否を受けると
今後の渡航予定に大きく影響をおよぼします。
あくまで申請は正確に慎重におこない、
拒否となった場合でも
ご自身のケースと事例がフィットする場合は
焦ることなく、取り得る対応を
冷静におこないたいところです。
WINDS行政書士事務所は、
日米VISAのサポートはもちろん、
ESTA申請に関するお困りごとやご相談
に対するサポートを承っております。
アメリカへの渡航やVISA取得に
問題を抱えていらっしゃる方は、
お気軽にお問い合わせください。
