ベトナムの特定技能に関するルール
2020.04.01[VISA]
【ベトナムの特定技能ガイドライン】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
3月27日、ベトナムにて特定技能外国人にかかる徴収額のガイドラインがリリースされました。
<教育・訓練費用>
特定技能VISAをもつ外国人にかかる日本語教育や職業訓練にかかる費用は、
日本側(受入企業や人材紹介会社)が負担し、
認定送り出し機関の口座に直接振り込まれることが必要です。
※認定送り出し機関は、これらの費用を当該外国人から徴収することはできません。
<渡航費用>
特定技能VISAをもつ外国人が日本へ渡航する費用
(フライト料金など)は、日本側が負担します。
当該費用も教育訓練費用と同様、
認定送り出し機関の口座に直接振り込まれることが必要です。
※母国に帰国する費用は、受入企業側と外国人本人との雇用契約に準じます。
<送り出し機関に対する手数料>
認定送り出し機関が徴収する手数料として、
日本側がその一部を負担し、認定送り出し機関の口座に振り込みます。
その額は、特定技能外国人の給与1か月以上に相当する額とされます。
認定送り出し機関は、給与3か月分の給与以上の額を徴収することはできません。
(例:企業側の負担=給与の1.7か月分未満、外国人側の負担=給与の1.3か月分未満、など)
※特定技能外国人が負担する手数料の相場は、給与1か月分以上が目安になると思われます。
※技能実習から移行した外国人(技能実習2号・3号修了者)に対しては、
手数料を徴収することはできません。
<転職における事前通知義務>
特定技能をもつ外国人が転職するときは、
前もって認定送り出し機関に知らせなければなりません。
このガイドラインからは、以下2点のねらいが読み取れます。
・ブローカー排除の推進
・特定技能へ移行する技能実習生の保護、優遇
【ベトナム人の特定技能制度が整備されています】
日本政府は現在、特定技能を持つ外国人の受け入れを、以下9か国からとしています。
フィリピン
ベトナム
中国
カンボジア
インドネシア
タイ
ミャンマー
ネパール
モンゴル
が、これらの国すべてで、
特定技能に関する法令や手続きが定まっているわけではありませんでした。
外国人が特定技能を取得するために必要な条件として、
日本語と業種別技能のスキルが挙げられます。
これらのスキルは、
日本語検定試験と技能評価試験という試験に合格して証明することが必要ですが、
技能評価試験が本国で実施されていない国がまだまだ多いのも事実です。
特定技能VISAが新設された当初、
ベトナムは、技能実習生最大の送り出しが可能という評価がされながら、
特定技能に関する法整備は整ってなく、現地からの送り出しが進みませんでした。
特定技能VISA取得の認可のため、
大使館やDOLAB(労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局)への
推薦者交付申請の運用に続いて、
今回のガイドラインが整ったことによって、
今後は特定技能外国人の送り出しも本格的に進むものと思われます。
【特定技能外国人の今後】
現在、外国人の特定技能VISAの取得状況は、どのようになっているでしょうか。
特定技能VISAを持つ外国人の受け入れは、在留外国人全体に対しての割合は、
まだ多くを占めてはいませんが、
2019年末より、その申請許可件数は急増しています。
<(出入国在留管理庁)2020年2月現在 特定技能制度運用状況>
現在はコロナウイルスの感染拡大の影響で、
各国の出入国管理体制も厳しくなっているため、
今後数か月間の推移は変わる可能性が高いですが、
今まで技能評価試験が実施されなかった国でも、
事態が収束次第、順次実施計画が策定されていくものと思われます。
スキルを持った優秀なベトナム人の方々が、
ガイドラインに沿って、より自由度の高い特定技能VISAを使って、
大いに日本で活躍されることを、当事務所も楽しみにしております。