コロナ救済策「セーフティネット」
2020.04.28[事業支援]
【コロナウイルスに対する盾「セーフティネット」】
こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
新型コロナウイルス感染症に関連した経済政策は、
緊急事態宣言期間に入ってから、
政府や自治体により補整予算が成立し、
本格的に救済措置の運用が始まっています。
資金繰りが厳しくなった事業者に対する救済措置では、最近ニュースでも、
「セーフティネット」
という言葉をよく耳にされる機会が増えているのではないかと思います。
セーフティネットというのは、
どのような仕組みになっていて、どのような違いがあるのでしょうか。
「セーフティネット=Safety Net」は、日本語にすると、「安全網」と訳することができます。
救済策を網のように張って、国民や事業者が、安全に、安心して、生活や営業ができるようにする仕組み。
これはまさに、「社会保障する」という意味となります。
このセーフティネットという名前が付く制度としては、
セーフティネット保証
セーフティネット貸付
という2つの制度がありますが、その内容は以下のように異なります。
【セーフティネット保証のカテゴリー】
セーフティネット保証とは、
各都道府県の信用保証協会が、民間の融資をするというものです。
信用保証協会は、
民間金融機関がフォローしきれない事業者のリスクの範囲を引き受け、
民間の融資を全面的にバックアップしてくれます。
いわば、銀行から借り入れをするときの、オフィシャルな保証人となる存在といえます。
セーフティネットは、中小企業信用保険法第2条第5項に基づき整備されたおり、
経営の安定に支障をきたす原因が、1号から8号までカテゴライズされています。
コロナウイルス対策の場合は、4号・5号が適用対象となります。
融資としては、セーフティネット4号認定の方が、条件を満たしやすいと考えられます。
セーフティネット4号・5号の特色は、以下のとおりです。
※セーフティネット保証5号の指定業種 (中小企業信用保険法第2条第5項第5号)
⇒こちら
【コロナウイルス関連の制度】
コロナウイルス関連の保証・融資制度としては、セーフティネットを含めて、
以下のものが創設されています。
※経済産業省:「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ⇒こちら
※以前のコラムで、補助金や助成金、
持続化給付金についてもご紹介しております
補助金や助成金⇒こちら
持続化給付金 ⇒こちら
国をまたぐほど、大規模な経済危機への対応として、
全国・全業種に対して別枠の借入債務保証ができる、②危機関連保証があります。
新型コロナウイルスが原因となり、
売上高等が前年同月比15%以上ダウン、
その月、翌月、翌々月の売上合計額等が前年同期間比で15%以上減少する見込み
であれば、
借入債務の100%(全国全業種)を保証してもらえます。
※売上ダウンの証明として、市区町村発行の認定書が必要です。
また、申請者の要件に合わせて⑥を併用することで、
実質無利子とすることができる、
④新型コロナウイルス感染症特別貸付
⑤新型コロナウイルス対策マル経融資
⑥危機対応融資
など、さまざまなな措置がとられています。
特に注目したいのは、④新型コロナウイルス感染症特別貸付です。
他の融資制度と比べても、要件や手続きがシンプルで、返済にかかる負担も軽いです。
※現段階で、窓口や相談ダイヤルへのお問い合わせや申請が最も集中していると考えられます。
※書類審査におよそ2週間、実際の審査におよそ2週間かかりますので、
融資の実行までにかかる期間は、1ヵ月以上となる見込みです。
【申請や審査は入念な準備を】
セーフティネットを利用でき、
各種救済制度を活用する要件を満たしているとしても、
事業者は、無条件に保証枠を最大限に使えるわけではなく、
財務実態や取引状況、ウイルス感染拡大における影響度を審査されたうえで、
融資額が決定されます。
また、機関によっては、
依頼や相談の殺到で、対応がなかなか間に合わない、
といったことも多く見受けられます。
申請や審査の要件を事前に把握して、スピーディに書類の準備を進めることが必要です。
自治体では、ぞれぞれの特性を活かして、
政府とは一線を画した、独自の救済策を展開していますので、
各地方のアクションにも注視していきたいところです。
事業者側としては、
緊急事態宣言が明け、コロナウイルスの感染が収束した後の展開を見据えたうえで、
相談や交渉を粘り強くおこなうことができれば、
サポートを受け付ける機関や選択肢も、まだまだあると考えます。
WINDS行政書士事務所では、こういったご相談を受け付けております。
問い合わせフォームやお電話で、ご相談をお待ちしております。