コラム

第2次補正予算(案)

2020.05.20[日々のあれこれ]




【コロナウイルス対策のための「補正予算」】

こんにちは。西新宿の行政書士、田中良秋です。
新型コロナウイルスの感染拡大に対する経済対策においては、
政府により、補正予算が組まれています。
その額は、およそ25兆7,000億円。
この予算の規模としては、過去最大。
追加で発行された国債によって、そのすべての財源がまかなわれています。

この補正予算が、
実際の私たちの生活や経済活動にどのような影響をおよぼしているのか。
今回は、補正予算について、考えてみたいと思います。


【補正予算の使い道】

4月30日現在で可決された補正予算(第1次補正予算)の使い道は、
以下のように充てられることとなっていました。

※4月20日閣議決定された補正予算の概要⇒こちら
※各制度に関するお問い合わせも承っておりますので、ご相談ください。
※以前のコラム
 コロナウイルスの影響に対する経済対策
 持続化給付金
 コロナ対策「セーフティネット」
 持続化給付金の申請開始
 特別定額給付金



経済活動を担う、中小事業者へは、
休業を余儀なくされる事業者の固定費負担のサポートや、
スタッフの休業手当への助成制度を拡充をおこない、
最大200万円となる持続化給付金の実現につながっています。

また、国民に対しても、
一律10万円の給付金や、
生活のための緊急小口資金の制度がもうけられています。



【第2次補正予算(案)の検討】

しかし、4月8日から始まった緊急事態宣言は、
ゴールデンウィーク明けの時点で、5月31日まで延長することが決まりました。
※5月20日現在は、39府県が解除となっています。

このまま営業や外出を自粛する期間が長引き、
経済活動が停滞すれば、
家賃の高い首都圏での生活費の負担や、
各業種へのオペレーションの圧迫の可能性が高まることは、
緊急事態宣言の発令当初から、予想されていました。

こうした経緯をふまえ、政府は、
コロナウイルスの経済政策における追加措置として、
5月19日、第2次補正予算の編成を指示、
現在、予算案が検討されています。

この第2次補正予算において、
大きく注目すべき政策は、次の3点と考えます。

①家賃サポート
「特別家賃支援給付金」を新たに創設して、
売上が一定割合減っている事業者に対しては、
法人は月額50万円、個人事業主等は月額25万円の給付をおこないます。
給付対象期間は、6月分から12月分までの半年間。
家賃の2/3をサポートするというものです。

法人は300万円、個人事業主等は150万円の助成を受けることもできます。

②学生の救済
学業とアルバイトを両立していた大学生さん、専門学生さんたちにとって、
今回の緊急事態宣言により、アルバイトの機会が減ってしまい、
その経済的ダメージは非常に大きいことが想像できます。

そこで政府は、1人あたり10万円、
生活へのダメージが特に大きい場合は20万円の給付
を実施するとしています。
また、授業料減免や生活費の支給に取り組む学校に向けての助成制度も
計画されています。

③雇用調整助成金の拡充

雇用調整助成金は企業が業績悪化により
従業員を休ませた場合に支給する助成金です。
しかし、この助成制度の運用がスタートしてからは、
申請の手続きや要件が非常に複雑で、
その支給率は1%以下という結果となってしまいました。
また、助成金の上限額は、1日あたり8,330円であることなど、
企業をサポートするのに充分とはいえないものでした。
第2次補正予算が決定後は、
この助成金は、要件や手続きを緩和し、
全体の支給を拡充することに舵を切りました。
1日あたりの助成額は、15,000円に増額し、
企業を通さず、直接従業員に支給される方法に転換するとしています。
※雇用調整助成金は、本日5月20日よりオンライン申請も可能となりました。

その他の措置としては、

新型コロナ対策予備費(1次補正予算は1.5兆円)の積み増し
地方創生臨時交付金の拡充
最大150万円の農家経営継続補助
大企業向けの10兆円を超える資本サポート


が予定、検討されています。

この第2次補正予算の成立は、6月中旬の見込みで進められているとされています。


【補正予算が私たちに与える影響】

コロナウイルス感染症の新規感染者については、
連日ニュースで報道されていますが、
その数は、目に見えて減少の傾向にあります。
しかし、経済活動が、
緊急事態宣言前のようにすぐの復旧は見込めないと考えます。

補整予算は、
ウイルスの感染拡大の防止だけでなく、
企業の事業継続や、国民の安定した生活を、
なるべく負担のない形で、実現させるものです。
国民が今、必要とするサポートを、いち早く実現させるために、
必要不可欠といえます。

第1次補正予算で、実現できなかったこと、
新たに課題と考えられたことが、
この第2次補正予算で解消されることによって、
withコロナの時期を乗り越えることができ、
しいては、afterコロナの生活が、より良いものとなります。


補整予算の内容は、その規模だけでなく、
どういった施策に使われるのかを、確認することで、
私たちが事前に備えるべきことを見極めることが大切です。
各制度の創設や拡充の報道も、この補正予算を思い出しながらチェックしてみてください。

WINDS行政書士事務所は、
補整予算案がどのように決定にいたるか、
各制度の内容について、引き続き情報をキャッチアップして、
各制度をご提案・ご案内させていただきます。

給付金や貸付金の申請手続き、助成制度につきましても、
引き続きお問い合わせ、ご相談を承っております。